約3年前、プロメカニシャン、カツリーズサイクル&デザイン 御大によって組上げられた手組ホイール。
ここ数日、ご機嫌斜め・・・
乗り出して約50mくらいは快調。がその後、暫く走ると軽くブレーキが掛かった感じで滑らかさに欠けます。
ホイールを持ち上げ、手で回しても軽〜く回る。
ブレーキを引きずっているわけでも無いし、ハブのガタも無い・・・(「・・)ン?? 何かが、おかしい・・・
ハブの異常かな?と思いフレームからホイールを外しハブシャフトを手で回してみるとF、R共にゴリゴリ感が・・・
雨の日、通勤にも使い続けて約3年間ノーメンテ・・・。いつかは壊れますよね(^_^;)
Shimano SLX HB-M665、FH-M665のハブベアリングはカップ&コーンと呼ばれる形式の物です。
リテーナー(ボールベアリング押さえ)でボールベアリングを挟み込み、玉押し調整ナット(ハブベアリングのガタ調整用)、ロックナットで構成されます。
ハブをバラしてみるとやはりグリス切れ。
特にRハブのグリス切れが酷いですね。
グリスが溶けて茶色に変色しドロドロ状態でした。
RはFに較べて荷重がかかるのでブレーキが引きずるような現象はRハブが原因だったようです。
幸いにも水の浸入は無くグリスは乳化していませんでした。
グリスが切れ、ハブに荷重がかかるとホイールの回転が重くなるようです。
(写真はFハブの状態)
ハブシールを外した状態ですがグリスが残っていませんねσ(^_^;)
ハブ展開図 Rハブ FH-M665
※ハブのオーバーホールはあくまでも自己責任で、お願い致します。
1.分解
使用工具
F 17mmハブスパナ×2、13mmハブスパナ×1(⑥右端玉押し調整ナット用)
R 17mmハブスパナ×2、15mmハブスパナ×1(⑥右端玉押し調整ナット用)、カセットスプロケット取外し工具を使用しました。専用ハブスパナの使用をお奨めします。
手順
・QRを外し、ホイールをカセットスプロケットを上にして平らな場所に起きます。
・カセットスプロケットを取り外します。
・⑥右端のナットをスパナで固定し⑥左端のロックナットを取り外します。
・③右端のナットをスパナで固定し⑥右端玉押し調整ナットを取り外します。
・シールリング、ボールベアリングをマイナスドライバーなどで取り外します。
・ハブシャフトが抜けないように手で押さえホイールを上下反対にします。
・③+⑤を抜いてシールリング、ボールベアリングをマイナスドライバーで取り外します。
※⑤ハブシャフトを交換しない限り③+⑤は分解する必要がありません。
2.洗浄
金属部分(ハブ本体、ベアリング等)にはブレーキクリーン。
シールリングはウェスで古いグリスを拭き取り。再利用の為です。
※シールリング(ゴム部分)にブレーキクリーン等を使用するとゴムを傷めシール性能が損なわれます。
灯油を洗浄用に使っても良かったのですが廃油の処理等も考えてブレーキクリーンを使用しました。
3.組立
分解の逆の手順で組立てます。
カセットスプロケットは玉押し調整後に組付けます。
※⑥左端のロックナット、⑦シールリングには向きが有ります。
本来はシールリング、玉押し用ナットも交換すべきなのですが在庫が無く特に異常も見られなかったので交換しませんでした。ボールベアリングのみ異常は無かったものの交換。
4.使用グリス SHIMANO DURAグリス
5.玉押し調整
Fはフォークにホイールを固定後、玉押し調整。
Rはハブを組立、カセットスプロケットを取付けない状態でホイールをフレームに仮固定し玉押し調整。その後、カセットスプロケットを組付け本固定。
※⑥右端玉押し調整ナットを締め込みすぎるとホイールの回りが悪くなり、緩いとガタが出ます。
ホイールを左右に揺すってガタが出ないようにして下さい。
ハブシャフトの歪みを考慮するとフォーク、フレームにホイールを固定した状態で玉当り調整を行うのが良いでしょう。
また、カセットスプロケットをRハブに組付けた状態では玉押し調整が出来ません。
(雑感)
自転車用ハブベアリング、カップ&コーン、シールド(リテーナー、ボール一体型)ベアリングがありますね。
カンパ、シマノの上位グレードはカップ&コーン、マビックはシールドベアリング・・・。
どちらも一長一短。GOKISOが理想なのかな?
とにもかくにも一年に一回くらいはハブのメンテはやらないと・・・(^_^;)