走行距離3,000kmを過ぎて、オートバイにも慣れ、足回りの馴染みも出てきたので、サスペンションセッティングを始め、現在の走行距離は8,000km(^_^;
奥が深いです・・・
(なぜサスセッティング?)
ストックのままで乗られる方が多いと思いますが、非常にもったいない(笑)
セッティングすることで、同じオートバイでも印象が全く変わってきます。
どのオートバイも自分の身体(身長、体重、乗り方、好みなど)に合わせて作られてはいません。
サーキット、オフロードコースと違って、高速道路を含めた一般道は、スピードレンジ、コーナーのR、道路勾配、路面状況も刻々と変化します。
その意味では妥協点が必要であり、完璧ではありません。
今や電子制御サスもありますが・・・
サスセッティングは、路面の凹凸・状況、コーナーでは「制動」~「一次旋回」~「二次旋回」~「加速」を考慮する必要がありますが、その辺りが面白味。
自分好みにセッティング、妥協点を高めることで乗りやすく、楽しく、満足できるオートバイに仕上げる為にサスセッティングは、かなり有効だと言えます。
『パーツ交換せずに、ある程度、突き詰めてから』
その次にタイヤ交換かな?(笑)
(サスセッティングの流れ)
まずはじめに「サグ出し」
・1名乗車時(体重+装備)にサスストロークの1/3程度、サスが沈み込むようにプリロード(スプリングの初期荷重)調整、基準点を設ける。
・プリロード調整はリヤを調整してからフロント
・ 圧側・伸び側 減衰力調整
(サグ値の設定)
Tenere700のサスストロークはフロント:210mm、リヤ:200mm
サグ値は目安としてフロント:70mm、リヤ:67mmとしました。
(プリロード調整)
Tenere700の場合、リヤサスはプリロード調整可能、フロントサスはX
リヤサスのサグ出しでフロントサスのサグ値がどのくらいか?。
参考:Tenere700マニュアル 3-18~20
https://www2.yamaha-motor.co.jp/Manual/pdf/mc/2020BAU4.pdf
(リヤサスペンションのサグ出しの仕方)
サグ出しはリヤから行いました。

Tenere700リヤサスペンションサグ出し
画像のようにスケールをガムテープでリヤアクスルシャフトに固定し1人で行いました。
条件:ガソリン満タン、タイヤ空気圧F:2.2kg/㎤、R:2.5kg/㎤(オフロード走行でも空気圧は固定)、装備(ヘルメット、ブーツなど)した状態で体重+装備重量90Kg。シートに座る位置を変えない。ドライブチェーンのたわみ量 調整済。

Tenere700_装備
あとでフロントも行うので、ブリードスクリューでフロントフォークのエア抜きも済ませておきます。
センタースタンド付きなので、センタースタンドを立てた状態(空車時)でリヤアクスルシャフト~垂線上、サイドカバー(青い部分)下端までの数値を計測(※タイヤと地面が接地していないこと)空車時のサグ値(静的サグ値)は20mm。
次にセンタースタンドを下ろし、装備状態でオートバイにまたがり同様の数値を計測します(動的サグ値を計測)
初期設定(ストック)、私の体重+装備では、リヤサスペンションの沈み込みが大きく、かなり柔らかく感じます。
乗車時にオートバイの姿勢が前上がり、後ろ下がりの状態ですね💧
体重+装備重量70~75kgのライダーに合わせて有るのかな?
サグ値を調整する為にスプリングプリロード調製ノブ(画像の黒いノブ)を一段ずつ固め(右に回して)にセッティングして数回、調整しました。

Tenere700リヤサスペンション_プリロード調整
私の体重+装備重量90kgでは右に4クリックで、リヤの目標サグ値67mm。
(フロントサスペンションのサグ出しの仕方)

Tenere700フロントサスペンションサグ出し
センタースタンドを立てて、空車時、フロントフォークが伸びきった状態(※タイヤと地面が接地していないこと)でインナーチューブ上端にタイラップを巻きます。
次にセンタースタンドをおろし、再度、センタースタンドを立てて、フロントサスの沈み込み量を計測。サグ値(静的サグ値)は50mm。
スタンドをおろし装備状態でまたがりサグ値(動的サグ値)を計ると60mm。
フロントサグは70mmに変更したいのですが、10mm足りません。
フロントサスのプリロード調整が出来ないので、おあずけ。
社外品のプリロードアジャスターも出てますね。
www.rally-raidproducts.co.uk
サスの沈み込み量を考えるとストックで私には、フロントサスやや固め、リヤサス柔らかめ?
フロントフォークを5~10mm突き出し前輪荷重気味にするか?
フロントフォークを突き出して、もう少しアンダーステアを減らしたいが、直進性は落としたくない。
メーカーさんの意図も考慮して(謎)、ここはいじらず、セッティングを進めます。
(走行テスト)
取りあえず上記のセッティングで走行テスト。
ストック状態では、リヤサスが柔らか過ぎたようで、加速時の姿勢変化が大きく、タイトコーナーでは旋回しやすいけれどオンロード、中高速域の速度での旋回では、リヤが腰砕け気味。
固い砂浜の直進性もフロントが振られて、スタンディングしないと安定しない状態でした。
(オンロード)
セッティング後は加速時の姿勢変化が少なくなり、アクセルに対するレスポンスも劇的に向上。が、過敏になりすぎてアクセルワークに神経を使います💧
また中高速域の速度での旋回もフロントに対してリヤが固く感じられフィーリングがイマイチ・・・
このままオフロードを走行しても結果は見えているので、リヤサスペンションのプリロードを一段、柔らかめ(左に回して)にセッティング(ストックから右に3クリック)
再度、走行してみると、かなり良い印象です。
アクセルの開閉に過敏すぎず、中速域の速度での旋回もまずまず。高速域ではリヤタイヤのブロックがよれる感じがしますが、ブロックパターンのタイヤ故、仕方がないですね。
(オフロード)
このセッティングでオフロード走行。
リヤサスは、跳ねるほどでもなく、アクセルワークにも従順。
シッティング走行での不安感は、かなり減りましたが、安心感が高いのはスタンディング走行。
フロントサスの動きが渋く感じますが、プリロード調整できないので、圧側減衰力をアジャスターで調整。
自分の好みまで圧側減衰力を弱くしたら結局、最弱となりました。最弱まで圧側減衰力を落としてもサグ値は変化しません。プリロードが変わっていないので。
圧側減衰力を最弱まで落とすとフロントサスの衝撃吸収性が良くなり、乗り心地も向上。
タイトコーナーは、より旋回しやすいですが、特にオンロードのフルブレーキング時、ノーズダイブが大きく不安定・・・(^_^;)
オンロードのフルブレーキングでもノーズダイブ、乗り心地がバランスするところを見つける為に再度、圧側減衰力を調整。
最終的にフロントサスの圧側減衰力は最弱から右に4クリック(ストックから左に4クリック)となりました。
(オフロード走行での不安感)
オフロードのシッティング走行での不安感(主にフロントタイヤの接地感)を解消するには、スタンディング、タイヤの空気圧を落とす、もしくは、よりオフロード寄りのタイヤに交換すれば解消すると思われます。
ただ私の場合、極力、パンクを避けたいので空気圧は落としたくない。
フロントタイヤは、まだしもリヤタイヤがパンクした場合、このサイズのタイヤ(150/70-18)のビートを出先で何もない所で落とすのは大変です・・・(^_^;)
今はオンロード:オフロード=9:1の走行パターン。
オンロードでの快適性、操縦性、タイヤの摩耗を考えると、タイヤ交換せずにスタンディング、景色を楽しむ走りで。
スタンディングだと前方の路面状況も良く見えるし、不安感も減ります。
でも一応、電動空気入れは、持ち歩いてるんですね(苦笑)
(総評)
スタンディング時のバランスが良いだけにフロントサスのプリロード調整を行いたい所です。
まだフロントの伸び側、リヤの減衰力調整はいじってません。
フロントサスはフォーク突き出しで、一次旋回をあげたい(そんなに不満は無い)
総じて操縦性は、まだややアンダーステア気味なので、減衰力調整をいじって、サスセッティングをもう一度、見直したいと思っています。
サスセッティング時は必ず変更箇所、履歴メモをお忘れ無く。