今までオートバイ、MTB、シクロクロスでディスクブレーキを使ってきましたがメンテナンス&雑感について書いてみたいと思います。
調整
1.キャリパーの取付位置
キャリパー固定ボルトを緩めブレーキレバーを握った状態でキャリパー固定ボルトを締めます。片手では作業しづらいのでタイラップ等でレバーを固定します。
油圧式ディスクブレーキは、これで終了ですが機械式ディスクブレーキの場合、ブレーキレバーを握った時にブレーキローターの歪みが大きい時はブレーキワイヤークランプボルトを緩めてカム位置の変更、ブレーキパッドアジャスターで調整する必要が有ります。その後、アジャスターでレバーの遊びを微調整します。AVID BB5では、この手順となりますがBB7ではカムレバー側にもブレーキパッドアジャスターが有るのでBB5より調整は容易ですが油圧式ディスクブレーキのメンテナンス性には叶いません。機械式ディスクブレーキはディスクブレーキパッドの位置決めが難しくブレーキをかけた時にブレーキローターの歪みが生ずるケースが発生します。油圧式ディスクブレーキでは自動調整機能により調整されブレーキローターの歪みを最小限に抑える事が可能です。機械式ディスクブレーキではケーブルのアジャスタのみでブレーキレバーの遊びを調整しているとディスクローター歪みの原因となる事も有ります。どちらもホイール交換した時はキャリパー取付位置調整が必要となります。
2.ブレーキ鳴き対策
ブレーキパッドの進行方向角を面取り加工(ヤスリなどで)、パッド裏にシムを入れたり鳴き止め用グリースの塗布(耐水、高粘度の物)などが有りますがブレーキローター、パッド材質の相性によって変わってきます。レジン系のパッドは雨天時に鳴きやすいようです。構造的にブレーキパッドとブレーキローターのクリアランスが大きくなりがちな機械式ディスクブレーキの方が鳴きやすいと言えます。
3.ブレーキローターの歪み
ブレーキローターの歪みはモンキーレンチでの代用も可能ですが専用工具の使用をお奨めします。軽くて操作性も楽です。PARKTOOL ローター修正器 DT-2C。有る程度、修正可能ですが歪みが酷い場合はブレーキローターを新品に交換して下さい。
4.クイックレリーズの締め付け
これが以外と曲者です(^^;)キャリパー取付位置調整し同じホイールを脱着した際にブレーキパッドの引きずりが発生する事が有ります。クイックレリーズの締め付け力によって微妙にズレが生じるようです。油圧式ディスクブレーキでは自動調整機能で問題ありませんが機械式ディスクブレーキでは起こってしまいます。クイックレリーズは工具無しでホイールを脱着できますがトルク管理がいい加減になりがちなので私はスキュアーを使っています。
自転車用ディスクブレーキ雑感
1.制動力
高級コンポーネントのキャリパーブレーキと較べても遜色は有りません。むしろ雨天時の制動力に関しては、遙かに上です。機械式よりも油圧式の方が、キャリパー自体の構造の違い(対向ピストンキャリパー)もあり、更に強力です。ウェット時のカーボンホイール・・・、怖くて乗れません(全然、効かない)現在のカーボンホイールはバサルト処理されて、かなり改善されたようですが・・・。
2.コントロール性
キャリパーブレーキより機械式ディスクブレーキでもコントロール性は上々です。油圧式は更にコントロール性、タッチ、効きも素晴らしいです。
3.ブレーキパッドとブレーキローター
ステンレス系のローターは錆びないもののドライ時はレジン系パッド+鋳鉄系ローターの方がコントロール性、タッチ、効きも良いように感じられます。メタル系のパッドは雨天時に強く鳴きも比較的少なくオールラウンドに使えます。ディスクブレーキは耐フェード性にも優れていますがDH(ダウンヒル)などを除き一般的な使用ではレジン系のパッドでも問題無いように思われます。ブレーキパッド、ブレーキローターとも消耗品なので割り切った使い方が必要だと思います。
まとめ
ディスクブレーキ装着のロードバイクが増えてきましたが最大のネックは重量でしょうか?ヒルクライム、ロードレースで使うならキャリパーブレーキ、一般的な使用ならディスクブレーキ?ディスクブレーキ仕様車はホイール廻り(ハブ、スポーク、リム)、フレームに関してメリット、デメリットが有りますがチューブレスタイヤよりも普及が早い規格だと思います。個人的にはディスクブレーキ対応ホイールの選択肢がもっと増えて貰えると有難いんですけどね(^^;)予算に余裕が有るなら油圧式ディスクブレーキをお奨めします。しかし普通の人はロードバイクを雨の日に、まず乗らないのでディスクブレーキのメリットを見いだす機会が少ない=必要無しと言えるのかもしれません。MTBなどでは常識と言えるディスクブレーキですがロードバイク用としてメリットを伝え切れていないような気がします。