YPJ-XCのタイヤをチューブレス化したいと思い、ホイール交換を考えていました。
YAMAHAとして公式には標準装着のホイールがチューブレスタイヤ対応ホイールで有ることを唄っていません。
最近のMTBホイールは、ほとんどチューブレス対応。
試しにタイヤの空気を抜き一部、タイヤのビートを落して確認してみるとチューブレス対応リムでは、ありませんか\(^_^)/ばんざーい
チューブレス対応リムはタイヤのビート部分がのる段差が存在します。クリンチャータイヤ用のリムには、この段差がありません。
クリンチャータイヤ用のリムでもチューブレス化は可能ですが、走行中にタイヤの空気が急激に抜けた場合、タイヤがリムから外れてしまう危険性が有ります。
それならば話は早い!(笑)パーツも揃っているので、まずは前輪から。
1.ホイールの脱着
ハンガーラックをフロントフォークとフレームの間にかませて前輪を浮かせました(^^;;
後輪は、自転車を逆さまにして取外し・・・
重量級のe-MTBはバッテリーを外しても作業が大変です・・・
タイヤはタイヤレバーを使わなくても簡単に脱着が可能でした。
上の画像は元のリムテープを外した状態です。元のリムテープ幅は23mm。
手持ちのSTAN'S Notubesチューブレス用リムテープの幅は24mm。
リムテープの幅はリムの内幅 + 2〜3mmぐらいが理想です。
2.リムテープの貼り方
リムテープを貼る部分をパーツクリーナーなどで必ず脱脂。
チューブレスタイヤ用のリムテープは薄く糊がついています。
リムテープは右手で軽く引張ながら位置決めしたあと左手親指を使ってテープに入り込んだ空気を抜きながら、リムにテープを密着させます。シワになると、その部分からエアー漏れしやすいので慎重に行います。
失敗してもその部分だけ剥がして貼りなおせば大丈夫です。
ロード用のリムならニップル穴が無いホイールも有るので、リムテープは必要有りません。
MTBなら一重巻き、ロードは高圧なので二重巻き、巻き始めはバルブ付近、バルブの反対側どちらでも お好みで。
これは良くない例。
リムの凹部分に密着させる必要性があります。このままタイヤを組んでしまうとリムテープにシワができてエアー漏れの原因となります。
3.チューブレスバルブ装着
リムテープのバルブ部分に穴を開けます。爪楊枝で小さい穴を開けてから、バルブを軽く押し込みながらバルブナットで固定します。
バルブ、ゴム部分とリムテープが接触する面にはタイヤシーラントを軽く塗り、バルブナットはOリング付の物を選ぶと良いと思います。バルブ根元からもエアーが漏れるので、その対策です。
バルブはバルブコアが外れる物のほうがタイヤシーラントを入れる時の作業性が随分違います。今回使ったチューブレスバルブはリムテープと同じく、STAN'S NO TUBESを使用しました。 バルブコア外しが付属したチューブレスバルブもあります。
4.タイヤのビート出し
タイヤをホイールに組込んでから、タイヤシーラントを注入する前にタイヤのビート出しを行います。今回は中性洗剤を薄めた物を使わず、柔らかめのグリスをタイヤのビートに塗りました。
普通のフロアポンプで簡単にビートは出ましたが、出ない場合はCO2インフレーター。エアータンク付のフロアポンプも有りますが、なかなかのお値段。
5.タイヤシーラント注入
チューブレスバルブのバルブコアを取り外してからタイヤシーラント注入。
タイヤシーラントは、CaffelatexとSTAN'S Notubesを使用しましたが、どちらも一長一短ですね。
Caffelatexはバルブコアを外さなくても別売りのインジェクターを使えば注入できる、中性でリムを傷めないなどの特徴が有ります。
対してSTAN'S Notubesはシーリング性能は上ですが、配合されているアンモニアがリムに対して攻撃性があり、リムが腐食する場合があるようです。
実際に匂いを嗅いでみましたが、アンモニア臭は、ほとんど無く、以前と比べて改良されたのかも?
STAN'S Notubesのシーラントには、白い小さな粒々(直径 約1mm)が入っていますが、容器を振ってよく混ぜないと底に沈殿しやすいようです。
この小さい粒々が穴を塞ぐために、より効果を発揮するようです。Caffelatexには入っていませんが、昨年、強化材として追加発売されています。中身は、ほぼ同様の物でした(^_^;) お米を入れる人も・・・
注入器は、エフェットマリポサ(effetto mariposa) Caffelatex(カフェラテックス) インジェクターを使いましたが、百均のシリンジでも代用可能です。
MTBはロードに較べてタイヤが太いので、注入量は、ほぼ倍。
6.エアー充填
バルブコアをしっかり取付けてから、バルブ位置は12時にセット、6時の位置だとシーラントが吹き出てくる恐れが有ります。
タイヤのビートが上がっている状態で、ある程度、空気が入ったら、ホイールを回転させたり、横に寝かせたりして、シーラントをタイヤ全周に行き渡るようにします。
エアー漏れの酷いところは、ホイールを寝かせ、中のシーラントを浴びせるようなイメージで。
今回、エアー漏れが多かったところは、バルブ周り、リムジョイント部分。
一気に規定圧までエアーを充填せずに何回かに分けてシーラントがタイヤ全体に行き渡るようにすれば労力も少なく済み、確実にエアー漏れしにくくなります^_^;
7.空気圧のチェック
約30分ほど放置してから空気圧をチェック。台所のシンクに水を溜めてホイールごと浸けてエアー漏れをチェックしても良いと思います。
エアー漏れが無ければ、自転車にホイールを取付けて、近場で試走して異常が無ければOKです。シ-ラントのシーリングが安定するまで数日、かかります。数日ごとに空気圧のチェックを行ってください。
8.注意事項
・タイヤシーラントを入れてから、CO2インフレーターの使用は厳禁です。
出先でのパンクを想定してCO2インフレーターを使ってみました。
シーラントが見事に固まりました(^_^; 炭酸ガスをシーラントに浴びせると固まるみたいです。バルブコアにシーラントが付着しているとバルブが固着してエアーを補充できなくなる恐れもあります。
パンクしてシーラントでエアー漏れが止まらない時は、シーラントを追加するか、バルブを外してタイヤにチューブを入れた方が確実で作業時間も早いです。
またタイヤのビートがリムの内側に落ちてしまったら、携帯用のポンプでは、残っているシーラントが災いして、まずビートが上がりません。この点がチューブレスレディタイヤの弱点。チューブの携行は必須です。
CO2インフレーター対応のタイヤシーラントがフィニッシュラインから発売されていますが、シーリングにやや難ありと評価は、あまり芳しくありません。
・屋内でタイヤの脱着を行うと、お解りでしょうが悲惨な結果を招きます。
・再作業の際は、中性洗剤などでタイヤやホイールに残ったシーラントを洗い流す必要があります。
9.チューブレス化のメリット
チューブレスvsラテックスチューブvsブチルチューブ、転がり抵抗比較
www.bicyclerollingresistance.com
総重量の低減、転がり抵抗の減少、耐パンク性の向上(リム打パンクなど)、乗り心地の向上が得られます。
実際に走行してみると最大空気圧でのピッチングが軽減、乗り心地が、かなり良くなりました。漕ぎ出しも軽くなり速度維持も楽になりました。
リムテープを貼ってチュ-ブレスレディタイヤでチューブレス化しましたが、かなり繊細な作業が必要でした。
※補足
GRK 電動自転車対応修理台 WST-DX
自転車をフレームの三角部分で支えます。日常的なメンテなら、これで充分。
高さ調整可能。